2024.07.17

相洋高校は鳥居陽生君を応援しています!!

2024年8月、パリで開催されるパラリンピックに、ゴールボール競技の日本代表として、本校卒業生の鳥居陽生さんが選出されました。
鳥居さんは幼少期に野球を始め、本校入学後は野球部に所属。ピッチャーとして活躍していましたが、1年生のある日、視界に違和感を覚えました。いくつもの病院で検査を繰り返し、判明したのが「レーベル遺伝性視神経症」。数か月の間に徐々に視力が低下し、1年かからないうちに中心部分の視野が黒っぽく阻害される「中心暗点」という症状となりました。選手としての道は絶たれましたが、鳥居くんは決して諦めず、最後まで野球部での活動を続けました。自分にできることを模索し、目の前のことに全力で取り組んでいる中、出会ったのがゴールボールです。その魅力にひきつけられ、夢中になった鳥居さんはみるみる頭角を現し、3年生の時にはトップアスリート発掘事業(J-STARプロジェクト)に応募し、選抜されました。その後も着々と実力を上げていき、2023年からは日本ゴールボール協会の強化指定選手に選出されています。 
日本ゴールボール協会を通じて鳥居陽生選手より、パリパラリンビックに向けての意気込みや相洋高校の後輩たちへのメッセージをいただきましたので、ご紹介します。
 

【ゴールボールという競技について】
ゴールボールは視覚に障害のある人を対象に考えられた球技で、パラリンピック特有の種目です。
コートはバレーボールコートと同じ広さで、各ラインには、触ってわかるように床とテープの間に紐が通されています。アイシェードという目隠しを装着した状態でボールを投げ合い、ゴールを狙うチームスポーツです。
小さな鈴が2つ入ったボールは、バスケットボールとほぼ同じ大きさで、重さは約2倍(1.25㎏)あります。とても厚いゴム製で硬く、空気が入っておらず、バウンドしにくいという特徴があります。鈴の音がよく聞こえるように、小さな穴が8カ所開けられています。守備では時速50〜70キロにもなるボールを寝転がり、万歳の格好でゴールを阻止します。
1チーム3人。規定ライン内にボールをバウンドさせながら投げます。守備側の選手はボールに触れてから10秒以内に投げ返し、センターラインを越えなければ反則になります。また、ボールを投げたあと、攻撃側の選手は守備側の選手に不利になるような音を出してはいけません。タイムアウト以外は、ベンチにいる監督やコーチからコート内にいる選手へ指示を出すこともできません。
ボールの鈴の音や振動、相手や味方の選手の息遣いや足音などをサーチしながらボールの動きを予測してゴールを死守します。
ゴールボールは、寝て起きてを繰り返し、全身にボクシングのパンチを受けるプレーに似ていることから「静寂の中の格闘技」とも言われます。
 
 
【パリパラリンピックへの意気込み】
高校1年の秋、幼稚園の頃から夢見ていた甲子園出場の目標が突然奪われました。そこから先生方や友人たちの支えや応援のもと、2年の冬にゴールボールに出会い、パラリンピック出場という新たな夢を抱かせてもらいました。
卒業までの3年間、穴部球場のトレーニング室や坂道で鍛え抜かせてもらった精神や体力が、今の成果に繋がっています。
パリパラリンピックでは日本代表としての誇りと相洋への感謝を胸に、一球一球ボールに全力を込め、悔いのないプレーをします。応援よろしくお願いします。
 
【相洋高校の後輩たちへ】
日々、勉強や部活等で忙しく、辛いことや落ち込むこともたくさんあると思います。けれど、それらを乗り越えた先に“新しい自分” “新しい世界”が待っています。
1日、1ヶ月、1年はあっという間に過ぎます。何事にも恐れず、“挑戦”してください。応援しています。
 
頑張れ!!鳥居陽生選手!!
私たちは鳥居君の活躍を祈念しています。

ゴールボールをプレイする鳥居

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